レポート:「在留資格(ビザ)」で分かる、外国人受入れの今とこれから-外国人政策勉強会23 (2018年6月22日)


第23回外国人政策勉強会レポート「『在留資格(ビザ)』で分かる、外国人受入れの今とこれから」

第23回外国人政策勉強会(EDAS(イーダス)主催、ランゲージワン後援)は、6月22日(土)18時半から東京・初台にあるランゲージワン会議室をお借りして開催されました。
テーマは、「在留資格(ビザ)」で分かる、外国人受入れの今とこれから。


[満員御礼!お申込み者の一人も欠席することなく勉強会がスタート]

今月初め、政府が経済財政運営の基本方針(骨太方針)原案の中で、深刻化する人手不足の解消に向けて外国人材の受け入れ拡大を示して以降、メディアで取り上げられることが急増した外国人労働者の問題に関連し、「在留資格(ビザ)」の体系を、「行政書士明るい総合法律事務所」代表・特定行政書士 長岡由剛氏が分かり易く解説しました。
会場は、51名(EDAS事務局を含む)の参加者で満員御礼でした。

◆ごあいさつ

本勉強会を主宰するEDAS理事の高橋恵介が、本勉強会開催の趣旨とこれまで取り上げたテーマ、EDASの理念「来た時よりも、もっと日本を好きに」やランゲージワンの会社概要等について説明しました。

◆講師:長岡由剛氏について

東京・品川区(JR目黒駅近く)にある「行政書士明るい総合法律事務所」代表で、特定行政書士。ビザや外国人関連法務を年間1,000件以上手掛け、在東京タイ王国大使館(TNJ主催)や行政書士稲門会、東京都行政書士会品川支部等でも講師を務める。

◆講演内容(要約)

人を包み込む優しい笑顔と穏やかな語り口調で、長岡氏は講演を始めました。
外国人は、日本に滞在するのに資格が必要です。これが「在留資格」でして、本来でしたら50時間掛けて説明する内容を約1時間に凝縮してお話します。「在留資格」に関する知識は、「あなたの隣にいる外国人」への理解を助けてくれるでしょう。一般に「在留資格」の意味でビザ(査証)という語が使われますが、外国人にとって、日本への扉を開けるのがビザ(査証)、日本に滞在するための免許が「在留資格」と言えば分かり易いでしょうか。日本の「このような人に来てほしい」と、外国人の「日本に行ってこんなことやりたい」という意思の合致が先ずは必要ですが、「在留資格」によって外国人の日本での活動内容が制限されます。

「在留資格」は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」)の規制を受け、法務省入国管理局によって管理されています。その入管法の第一条(法律の目的)は、日本の利益の実現であることが分かります。外国人の在留権は憲法で保障されていませんが、入管法により制限を課した上で在留権を認めています。在留期間は、永住者等一部の「在留資格」を除き最長5年間であり、また一部の「在留資格」を除きますが、在留期間の更新等の申請を行うことで継続的に日本に在留することが出来ます。なお、外国人が日本に在留するため(継続的在留を望む場合を含む)には、各々の「在留資格」に対応した、①在留資格該当性と、一部の「在留資格」に設けられた、②基準適合性の双方が原則として充たされる必要があります。


[熱心に説明を続ける特定行政書士の長岡さん(右)とEDAS理事長の田村(左)]

「在留資格」は現在28種類あり、それにより「どんなことをする人たち。日本社会とどんな関係を持っている人たち。」かが分かります。入管法別表(在留資格リスト)1の1、1の2は、いわゆる「就労系」の「在留資格」です。人数的には、技能実習生の約25万人が最多で、これに技術・人文知識・国際業務の約18万人が続きます。入管法別表1の5に定められている特定活動は、法務大臣によって柔軟に定められる「受け皿」で、「次にどのようなタイプの外国人に来て欲しいか」が現れます。特定活動・定住者以外の在留条件の追加・変更には、「在留資格」を追加するものとして法令の変更が要請されるため国会の審議が必要です。留学・家族滞在では、1週間の労働時間が28時間以内に制限されています。昨年から、小学4年から日本の高校まで教育を受けて卒業し、1週間の労働時間が28時間を超えた就職が予定されている場合には、日本人と同等の就労、社会的な活躍を認める緩和がなされました。

最近、政府が示した骨太方針原案でホットな「特定技能」は、5業種(農業、介護、建設、宿泊、造船)での深刻化する人手不足を補うことが目的です。技能実習制度との接続も検討されています。その場合でも、日本の社会保険制度に負担がないよう、最長でも5年間の滞在で、家族の帯同は許されていません。公務員(入国管理局職員)は法律(入管法)に沿って仕事をしているので、その法律をきちんと理解するのが良いと長岡氏は結びました。そして、入管法に関する自著が非常に分かり易いのでぜひ一読をお薦めすると添え、自信の笑みを浮かべました。

◆記念撮影と懇親会

質疑応答の後、参加者全員で記念撮影しました。また、参加者の約半数が懇親会へと進み、日本の外国人政策等につき、時間が経つのも忘れて熱く意見交換しました。

◆入会のご案内

本勉強会を主催したEDAS(イーダス、理事長:田村拓)については、こちらをご覧下さい。会員も随時募集しています。
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